フースラーメソードで声はどう変わった?発声訓練前後の周波数分布を分析

こんにちは!
ボイストレーナーのなかむら詩子です。
今回のブログテーマは「フースラーメソードで声はどう変わった?」です。

トラちゃん
う~ん、フースラーって「スゴい!」って言われるけど…
本当のところどうなの?

あれ?トラちゃんはまだフースラーを疑っているの?

だって、声って目に見えないよね。
どう変化したのかなんて、結局は感覚でしょう?
こんなふうに、トラちゃんと同じ疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
このブログでは、フースラーメソードで発声訓練をした声を科学の力で分析し、数ヵ月後、1年後、数年後といった時間経過の中で、どのように声が変化したのか?検証します。
ちょっとユニークな検証です!どうぞ最後まで楽しんでお読みいただけたらと思います!
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01|はじめに~この検証をやろうと思ったきっかけ
ボイストレーニングは、変容後の声は想像がつきません。
ですから、これからフースラーメソードを始めたい方や、今まさに実践中で、変化に伸び悩んでいる方が、
「こんなふうに変わっていくんだ!」
「このやり方で大丈夫なんだ!」
と安心していただけたらと思い、この検証をしようと決めました!
初学者の皆さんは、発声器官をまだ聞き分けられない方も多いです。
しかし、先生をはじめとする専門家の耳からすれば、ちゃんと変化していることがほとんどです。
声は小さく変化して、大きく成長します。
この先の検証で、自分もちゃんと変化するんだ!と自信を持っていただけたら嬉しいです。

トラちゃん
ちゃんと変化するってわかれば安心だね!
02|どのように検証するか
まず、検証する声は私、ボイストレーナーのなかむら詩子の声です。
ちょうど、フースラーメソードを始めた頃に記録していた音声が、5〜6年間分残っています。
この音声の中から、いくつかのサンプルを取り上げ、時間経過の中で、声がどのように変化していくのかを観察していきたいと思います。

自らが実験台となり、検証いたします!
比較する音声について
フースラーメソードのアンザッツ2番と5番でご紹介します。
比較のため、
- 同じ部屋、同じ場所、同じマイクで録音
- 同じ音高、同じやり方で発声している
- どれもZoomに録音したもの
以上の条件が揃った音声をピックアップして、時系列に並べて聞きます。
周波数分布の分析について
音声は、iZotope RXというソフトに読み込み、最初と最後でどのくらい声が変わったのか?
周波数分布の分析から判断します。
iZotope RXは、音声のノイズ除去や音質改善に特化した業界標準のオーディオリペアソフトです。

周波数分布の見方について
周波数分布の見方をご説明します。
まずは、周波数が始めから、カットされている箇所がございます。
次のスペクトラムは、アンザッツ2番の音声を読み込んだものです。
同じ音高を「ハッハッハッ!」と発声しています。
Zoomの仕様なのか、オリジナル音声にはしておりますが、15Kヘルツ以上はカットされています。
左上「始めて1ヵ月」という文字のすぐ下にある黄緑色の矢印の黒い空間です。
15Kヘルツ以上がない状態です↓

次に、基音の下で陽炎のようにユラユラしているもの。
これは冷蔵庫やパソコンなど、電化製品のノイズです↓

それから、基音・倍音についてです。
一番下のオレンジの横線が「基音」で、基音より上の無数の横線が「倍音」です↓


それでは、私の下手な声で大変恐縮ですが、一緒に見ていきましょう!

トラちゃん
面白そう!ワクワクするね~!
※今回は一部の声をご視聴いただきます。もし、ほかのタイプの声も聞いてみたいという方は、大変恐縮ですが、レッスンのときにお申し出いただけましたら対応させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
03|アンザッツ2番
↑音声は、
- 初めて2番に挑戦してから1か月後
- 3か月後
- 半年後
- 一年後
- 3年後
という順番で並んでいます。
最初はとっても苦しそうですね(笑)
次にこの音声を、スペクトラムで分析し、声の成分がどのように変わったのか?
検証したいと思います。
始めて1ヵ月と、3年後の比較を見てみましょう。


トラちゃん
線が少しクッキリしたかな?

よく気づいたね!
線が太くハッキリ出ているよね。
3年後の声は、始めた頃に比べて音色の密度が増し、オレンジの線が太くハッキリ濃く出ています。
6K~12Kヘルツ辺りも、クッキリ綺麗になりました↓↓↓

あとこちら↓↓↓
始めたばかりの頃は、線が全体的に歪み、ガタガタしています。
恐らく、喉頭を下前方向にしっかり繋ぎ止めることができず、喉頭がグラグラしたり、声帯をしっかり閉鎖できず、音色も弱く不安定になっているのだと思われます。

それぞれの期間の推移を見てみると、
こんな感じです↓↓↓

一見、全部綺麗に見えますが・・・
やはり一番右、始めてから3年後の声がピッチも安定していて、一番綺麗ではありませんか?

トラちゃん
3年後は、粒立ちが綺麗だね!
お米みたい(笑)

アンザッツ2番は苦労したな~
私はクラシックが長くて、地声をほとんど出していなかったので、アンザッツ2番は、とっても苦労してフォームを覚えていった思い出のアンザッツです。
こんなふうに声を可視化するって、面白いですよね✨
04|アンザッツ5番
↑音声は、
- 初めて5番に挑戦してから1か月後
- 6か月後
- 7か月後
- 3年半後
という順番で並んでいます。
次にこの音声を、スペクトラムで分析し、声の成分がどのように変わったのか?検証したいと思います。
始めて1ヵ月と、3年半後の比較を見てみましょう。

始めた頃に比べて、3年半後の声はかなり違いますね。
特に基音が、かなりハッキリ濃く出るようになりました。
そのため、倍音もしっかり、明らかに線の量が増えています。
やはり一番右、始めてから3年後の声がピッチも安定していて、一番綺麗ではありませんか?

トラちゃん
おわー!!これは変わったね!

明らかだよね!
それぞれの期間の推移を見てみると、こんな感じです↓↓↓

明らかに違いますね。
迫力ありますね(笑)
アンザッツ5番は、最初は似て非なる音ばっかり出てしまい、何度も迷子になりました。
途中から聞いていただいた音源より、もっと高い音域までしっかり出していくよう稽古を変えましたら、かなりよくなっていきました。
それと、日本の民謡や中国の周旋(しゅうせん)なんかを真似して、方向性を掴んでいきました。
05|声が変わるとは?
時間経過と、スペクトラム分析をご覧になって、いかがでしたでしょうか?
私は、声が「よくなる」「変わる」とは、品質のいい楽器になるのと似ていると思っています。
スタインウェイのピアノに似ているなあと思いました。
良い楽器は、その人のいいも悪いも全部映し出します。
『そのまんま』って感じです。
昔、ピアノを習っていた時に、発表会で初めてスタインウェイを弾いたんです。
全然、違いましたね。
自分が今まで気づかなかった自分の音まで、グワーッと運んできてくれる。
自分が持つ本来の「よい」音の成分が、グワッと底上げされる感じです。
で、粗も目立ちました。
だけどそれは、悪い音ではなくて、「伸びしろ」なんですね。
もしくは磨き残しって感じでした。
ボイストレーニングも同じです。
声がよくなればなるほど、自分の粗に気づけるようになります。
ボイストレーニングって、終わりのない世界なんです。
だから、楽しいですね。

06|まとめ
フースラーメソードは、思い込みや精神論で歌ったり、発声したりするのではなく、発声器官の自然の法則に従って、人間が本来持つ発声力を解放していきます。
太陽が東から昇って西に沈んだり、鳥が空を飛んだり、魚が海を泳いだり、そういうのと一緒です。
丁寧に、誠実に「声」と向き合えば、必ず自分が持つ本来の声と出逢えます。
次元の違う感動ですよ。
自分の伸びしろをありのまま認めて、心地よくステージアップできると、自分に対する健全な自信がつきます。
すると、確固たる「軸」が生まれます。
そういうものが、いずれあなたを力強く支えます。
まずは、背伸びをせず、ありのままの自分の声を楽しむ。
そして、遊ぶ。
日々日々、変な声を出してみたり、モノマネしたりと、声と一緒に遊んで、楽しさや遊びの中に自分なりの「真実」を見つけてみてください。
私は、フースラーメソードのボイトレが大好きです。
一人でも多くの方と感動を分かち合えたら嬉しいです。
やはり一番右、始めてから3年後の声がピッチも安定していて、一番綺麗ではありませんか?

このブログの検証は、教室のYouTubeでも公開しています。

トラちゃん
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最後までご覧になって下さりありがとうございました。
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