「倍音」を見てみよう|ボイトレで鍛えた声はどんなスペクトラムになるのか!?

こんにちは!ボイストレーナーのなかむら詩子です。

あなたは「倍音」という言葉を聞いたことがありますか?

今回のブログでは、この「倍音」をRXというオーディオ修正ソフトを使って可視化し、ボイストレーニングで鍛えたいろんな声がどんなスペクトラムになるのか?見てみようと思います!

どうぞ最後までお読みいただければと思います。

01音・周波数とは何か?

まず初めに、音・周波数とは何かを知っておきましょう。

物が揺れ動くことを「振動」と言います。その振動が何か(空気・水・壁など)を伝って私たちの鼓膜に届くと、として聞こえます。

つまり、音とは振動であり、その揺れは「波」のように伝わっていきます。

この波は、数値で表せます。周波数です。

周波数には「Hz(ヘルツ)」という単位が使われます。1Hzは、1秒間に1回の周波数です。

風に木の葉が揺れる音、水が滴る音、鳥の声、人の歌声、話し声、楽器の音色、ガラスが割れる音、飛行機のエンジン音……。

どの「音」も、周波数(Hz)という数値で表すことができます。

02倍音とは何か?

「音」の波を数値(Hz)で測ってみると、面白いことに、数値が一つではないことがわかります。

どういうことか?

これから実際、スペクトラムをご覧いただきますが、実は、一つの「音」からは、同時に複数の「波」が出ているのです。

一本目の波は〇Hz、二本目の波は△Hz、という具合にです。スペクトラム上では、いろんな数値の波が、年輪やミルフィーユのように幾重にもなって、同時に発生しているのを見ることができます。

ではさっそく、スペクトラムを見てみましょう。これからご紹介するスペクトラムはすべて、RXというオーディオ修正ソフトに、私の歌声を読み込んだものです。

A♭主音として「ドレミファソラシド」と歌っています(変イ長調)

一つの音を発声しているとき、同時に幾重もの波が出ているのがわかりますね。

で、今見ていただいているものが「倍音」です。

要するに倍音とは、一つの音を発しているときに、同時に幾重にも出ている波動のことです。

わかりやすいように、スペクトラムの右下部分を拡大してみましょう。波の階層をしっかり捉えることができます。ちなみに「A♭」を発声している部分です。

↓↓↓

聴覚上は一つの「音」しか発生していないように聞こえますが、異なる周波数の「波」がたくさん発生していて、全部の波で一つの「音」を作っているのですね。

スペクトラムの右に数字が書いてあります。この「100」から始まる縦軸が、周波数(Hz)です。上に行くほど高い周波数になります。

音の波の中で、下から一本目――つまり一番低い周波数を「基音(きおん)」と呼びます。

二つ目は第二倍音、三つ目は第三倍音、四つ目は第四倍音……と続きます。

今回の音色(A♭)は、基音はだいたい400Hzくらいが出ていますね。

第二倍音、第三倍音、第四倍音はどうでしょうか?

  • 基音 → 400Hz
  • 第二倍音 → 400×2= 800Hz
  • 第三倍音 → 400×3= 1.2KHz
  • 第四倍音 → 400×4= 1.6kHz

綺麗な数値が出ていますね。

実は、倍音には、基音の周波数をfとすると、第n倍音の周波数は「n×fであるという特徴があります。今回の数値を見てみると一致しますね。

ここでもう一つ注目して欲しいのが、周波数が違うということは、音の高さが違うということです。

倍音がよく「一つの音を鳴らしているとき、同時に複数の違う音も一緒に鳴っている」と表現されるのは、同時に異なる周波数が出ていることを言っているのです。

実際、上のスペクトラムも「400Hz=A♭」の音を鳴らしているとき、同時に、

といった違う音(=波)が出ているのがわかります。

倍音って、奥が深くておもしろいですよね。
さあ!もっといろんな声色の倍音を見てみましょう!

03オペラみたいなAh~~!裏声成分の多い高い声

次に、オペラみたいな高~い声を見てみましょう。どんな風に見えるでしょうか?

ラーメンみたいですね(笑)

ちぢれ麺のようになっているのは、ビブラートです。わかりやすく形に出ましたね。

発声している音は「A♭5」です。ピアノの真ん中の「ド」が「C4」ですので、イチオクターブ上の「ラ♭」ということになります。

この音域になると、かなりの裏声成分が含まれます。それが証拠に、低い周波数(=低い音)の線が細いかと思います。

地声がしっかり出ていると、オレンジの線は太くクッキリ出ますので、音声学的にも裏声成分が多いことがわかります。

04地声成分が多い声(アンザッツ1番)

今度は、地声成分の多い声を見てみましょう。

フースラーメソードにおける「アンザッツ1番」を意識して発声した声です。ちょっと5番っぽいかもしれません。ご了承ください。

先ほどとは打って変わって、下の線が太く濃く出ていますね。地声成分が多い証拠です。これもバッチリ出ましたね!

この音色は、喉の中にある「甲状舌骨筋」という筋肉を使って、喉頭をしっかり引き上げて、喉の中を狭く使って発声した声です。

コミカルな笑っちゃうような声ですが、こういった平べったい声色は、昔の日本人には多かったようです。

フースラーメソード研究で有名な武田梵声先生の研究でも、よく言われていることですが、アジアでは、このような平べったい声や、喉頭を高めに使った声といった、喉の中を狭く使って発声した声(ナロー系の声)の中に、美しさ、心地よさ、芸術性の高さを見出す傾向があるようです。

実際、やってみるとわかるのですが、かなり鍛錬を積まないと、この音色をしっかり出すことはできません。ボイストレーニングをされている方には、ぜひやっていただきたい声です。声門閉鎖が促され、声量も増します。

日本の古い浪曲では、鼈甲斎虎丸(べっこうさいとらまる)さんのお声なんかを参考に聞いてみてください。聞き分けられる方にとっては、心地よく、うっとりする声かと思います。

05ノイズ・猫の喧嘩のようなAh!

これまでの声色は、比較的、しっかり発声されていましたが、次はノイズをたくさん含んだ声です。

【注意】猫の喧嘩のような大きな音が流れます!

いや~うるさい!(笑) 大変失礼いたしました!

さて、スペクトラムを見ると、画面に黒い部分が少なく、全体的にオレンジ部分が多くなっています。

ノイズ成分がピッチをしっかり捉えているわけではないので、このようなスペクトラムになります。

しっかりピッチを捉えて発声すると、これまでのように、スペクトラムにクッキリした線が出ます。比較するとこんな感じです。

自分の声の「純度」を確かめるのにも、RXは使えますね。ノイズ除去も綺麗にできますし、歌手や声優の皆さまにはお勧めのソフトウェアです。

またこの声は、耳障りで、喉を痛めそうな音色ですが、しっかり鍛錬した上で出す分には、痛めるということはなく、むしろ声量が増したりと、喉のとって良いことが多い発声です。

種類としては、だいたいガム(ノイズ発声)となります。

私自身、このガムが出るようになってきてから、声量が爆発的に増しました。

ただ経験上、発声をしっかり学んできた先生に見てもらいながら、出したほうがいい声かな?とは思います。私は、技術的に難しいと感じています。

声の基礎がない人が、見よう見真似でやると、変な癖がついてしまって、意図せず声にノイズが乗ってしまうことがあるので注意が必要です。つまり、声にノイズを入れたくないときも、勝手にノイズが入ってしまうんです。

かく言う、私がそのような経験をしたことがあります(泣)ノイズが入らなくなるまで、数年かかりました。

ボイストレーニングって、本来、適当にはできないものなんです。日々の基礎稽古はもちろんのこと、知識もしっかり身に付けて、焦ることなく地道に成長していきましょうね。

06まとめ・参考動画

いかがでしたたか?いろんな声色の「倍音」を見てみることで、音の知識ばかりでなく、発声における大切なことも発見できたかと思います。

ところであなたは、自分の声をどのように開発されたいですか?

巷には、

「一週間で変わる!ボイストレーニング」
「すぐにできるミックスボイス」
「ワンコインで気軽にレッスン」

な~んて甘い言葉を掲げているボイトレ講座がたくさんあります。

頭から否定するわけではありませんが・・・

私は、せっかくお金と時間を投資してボイストレーニングをするなら、気分転換に声を出して終わりではなく、本当にしっかり「よい」声を獲得して欲しいと思っています。

発声研究者のフレデリック・フースラーは、「よい」声とは、

すべてにおいて「よい」声であると伝えています。

「上達したい」
「限界を突破したい」
「多くの人に感動を届けたい」

もしもあなたが、そんな真剣な想いをお持ちでしたら・・・ぜひ私のレッスンにいらしてください!!

あなたの情熱を受け止めます。一緒に夢を実現させましょう!!

最後に、このブログに出てきた声色で歌った動画をご紹介いたします。全部、私の声です。

真面目な歌声もいいですが、いろんな音色で、自由に楽しく表現できるようになると、もっと楽しいですよ!

レッスンのお申込み、お問合せお待ちしております!!

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最後までお読みくださりありがとうございました

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