想いを「声」にして伝える

想いを「声」にして伝える。似たようなテーマを以前も書きましたが(『想いを「声」に変換する』)そのくらいこのテーマは、私の中で大きな位置を占めています。

目 次

声にして伝える

先日、表現の勉強にと、声優の永井一郎さんの著書『朗読のススメ』を読みました。その中で、「朗読は文字を音に変えることではありません。文章のイメージ声にして伝えることです」という言葉を見つけました。(※1)

そこでピンとひらめきました。なるほど。わざわざ声にして伝えるという行為は、発声の観点から見ても、想いを伝えることなのだなと。

こういう図式ができあがると思ったんです。

言葉や文章って、頭で思考しているときは「情報」なんですよね。だけど、声に出すと「想い」に変わる。

ですから「朗読は文字を音に変えることではありません」なのですね。情報を伝えるために音に変えるのなら、今ではAIでもできます。

そうではなく、以心伝心のようにパッションでイメージを伝えるには、血の通った人間のオリジナルの個性を通して「声にして伝える」ことが大事なのです。

発声器官を通して出た《音声》は、情報を伝えているのではありません。イメージを、作品のテーマ想いを伝えています。

考えないで声を出す

実は、ボイストレーニングでは「考えないで声を出すこと」を学びます。頭であれこれ思考し過ぎない。

考えないで声を出すとは、何の知識も情報もいらないという意味ではなく(考えないで声を出すことと、無知は違います)パッション=衝動でもって想いを伝えなさいという意味なんです。

想いとは、《思考》という頭に向かうルートではどうも伝わりにくい。そういう性質がある。だから、なるべくシンプルに発声器官(からだ)を通して、音声を媒体に外に向かって伝える。これが発声です。

なぜボイストレーナーたちが発声を学びなさい、フィジカルトレーニングもちゃんとしなさい、というのか?重要視する意味がなんとなく伝わったでしょうか?

自分を捨てて、学び直す。

ですから歌にしろ芝居にしろ、声にして伝えるためには、シンプルに発声器官(からだ)を使って、どんんどん声を出すのが一番です。

先ほども申し上げましたが、考えないで声を出すことと、無知は違います。正しい知識は必要です。闇雲に声を出しては喉を痛めるかもしれないし、間違ったやり方をして、回り道をしてしまうかもしれない。

そのためにボイストレーニングを学びましょう。

永井一郎さんは、ガンの手術をされて声を失ったとき、70歳を越えてから声楽の先生に就いたそうです。初歩の初歩から始められたそうです。プロとしての自負もあり、プレッシャーがあったそうですが、自分を捨てて学び直したそうです。

からだが声の出し方を覚えるまでは、多少の忍耐も必要です。だけど、得られるモノの大きさといったら、言葉では表現しきれないほどです。この感動をあなたと分かち合えたら嬉しいです。学んでみたい!そう思ったときには、いつでもレッスンにいらしてください。

※1 永井一郎『朗読のススメ』新潮文庫 2009年(19頁4行目~5行目)

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