ボイトレやるなら知っておくべき【裏声&地声】3つのポイントで深めよう
ボイストレーニングをやるなら知っておきたいのが
「裏声」「地声」です。
裏声・地声という2つの声区があることはわかる。
でも、どう違うかわからない。
そんな方も、多いのではないでしょうか?
今回は「裏声・地声」の理解を深めるポイントを
3つに絞ってご紹介します。
どうぞ最後までお読みいただければと思います。
目 次
01|使っている「筋群」が違う
ポイントその1、
使っている「筋群」が違います。
声は、喉の中の筋運動で出ていますが、
裏声と地声は、声を出すときに使っている筋群が違います。
裏 声
声帯の「伸び縮み」をサポートする筋肉、伸展筋群を使って出します。(※1)
音程調整の役割があります。
高い声を出すときは、かなり多くの裏声を使って出しています。

地 声
声帯の「開閉」をサポートする筋肉、披裂筋群を使って出します。(※1)
(開大筋は伸展筋をサポートする関係です)
音量調整の役割があります。
低い声を出すときは、かなり多くの地声を使って出しています。

私が教えているフースラーメソードでは、
裏声と地声をしっかり分離し、強化するトレーニングを行いますが(※2)
このとき、生徒様にはアンザッツという方法で、
裏声と地声、それぞれ分けて発声していただきます。
そこで初めて、裏声と地声は、
音色や体感が違うことに気づきます。
使っている筋群・作用が違うからです。
実際に発声しながら、理解していただくのが一番ですが、
ますは裏声と地声、使っている筋群・作用が違うことだけ、
しっかり覚えておきましょう。
02|声は「総合的」
ポイントその2、声は「総合的」です。
私たちの声は、裏声と地声が協力し合って、
ひとつの音色を作っています。
どこからが裏声で、どこからが地声というふうに、
パキッと分かれていません。
声区はグラデーション的に変化していきます。
先生から、
「この音域は、裏声がかなり使われています」
なんて言われたことがあるかもしれませんね。
イラストにすると、次のようなイメージです。

高い声は、裏声に作用する筋群がかなり使われていて、
低い声は、地声に作用する筋群がかなり使われているので、
- 高い声=かなり裏声
- 低い声=かなり地声
とも表現できますね。
声は総合的なんです。
この視点を持って、声の鍛錬に取り組むことはとても重要です。
03|「ジャナイ」勘違いに気づけ
ポイントその3、
「ジャナイ」勘違いに気づけ、です。
よくある2つの勘違いをご紹介します。
× 女性は裏声で男性は地声、ジャナイ
1つ目は、女性は裏声で男性は地声、ジャナイです。
これはクラシックをやっている方に多いです。
「女性は裏声しか出ない」
「男性は地声しか出ない」
そう思い込んでいませんか?
人間のからだの造りは、みんな同じです。
女性だから、男性だからという区別はありません。
この勘違いがよくないのは、
ソプラノ、メゾソプラノ、テノールなど、
最初から「声種」で分けて、
その音域でしか、鍛錬しなくなってしまうことです。
「あなたはソプラノだから、これ以上、低い声は出ません」
なんて指導も実際にあり、注意が必要です。
人間の声は、生理学的に見てもかなり広い音域まで出ます。
私も声楽を学んでいた頃は、声種はソプラノでしたが、
高い音ばかりでなく、低い音もちゃんと出ています。
正しく鍛錬すれば、音域は拡大します。
ですから、最初から出る音域を決めてしまって、
その範囲でしか声を出さないというのは、お勧めしません。

もう一歩、深く突っ込んで解説すると・・・
一つの音色(音像、倍音構成)ばかり発声するということは、
筋肉を偏って使い続けているということです。
すると、
- 使い続けた筋肉に、負荷がかかっていく
- 未使用の筋肉が生まれる
→ 筋バランスが悪くなり、声が出なくなる
という結果が起きます。
声は筋運動です。
筋肉を満遍なく使って、
総合的に声を出すことが超重要なのです。
× ボイトレで登場する地声は「地」の声、ジャナイ
2つ目は、
ボイトレのレッスンでお話している地声は
「地」の声、ジャナイです。
あなたはボイトレで登場する地声を
「地」の声(素の声)と勘違いしていませんか?
「地」の声とは、普段、話している声、
家族や友人に「おはよう!」と出している素の声です。
ボイトレに登場する地声は、
最初にお話しした通り、
披裂筋群を使って出している声です。(※1)
低い声を出すときは、かなり多くの地声を使って出している、です。
地声を「地」の声だと思い込んでいる方は、
「えっ、今私が話している声はどっちなんですか?」
「それじゃあ、ジェンダーレスの人はどっちになるんですか?」
本当にこのような質問をされます。
しっかり理解していきましょう。

04|まとめ
発声についてしっかり学ぶなら、
まずは混乱している情報の整理から始めるのをお勧めします。
特にフースラーメソードは、
本来の正しいボイストレーニングを
現代に復興したものです。
学び始めたばかりは、
今まで自分が信じていたことが、
実は間違っていた!!なんてことも多いです。
それこそが素晴らしい「学び」です。
私も学び始めは、いっぱい勘違いしていました。
一緒に新しい発見を喜べたら嬉しいです。
レッスンのお申込みもお待ちしております。

※1 武田梵声『最高の声を手に入れるボイストレーニング フースラーメソード入門(DVD付)』日本実業出版社 2018年(217頁8行目~18行目、219頁13行目~15行目)
※2 武田梵声『ボーカリストのためのフースラーメソード 驚異の声域拡大をもたらすアンザッツとは?』リットーミュージック 2012年(54頁1行目~64頁 PART2 裏声と地声のバランス調整)







